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IMG_3924.JPG陰陽師  夢枕獏
文春文庫







陰陽師シリーズ第1作がこれです。
なぜか、この第1作だけが図書館になくてリクエストしました。
リクエストしたら、寄贈本として届きました。
図書館員のどなたかが寄贈して下さったのかな?と
想像したら嬉しくなりました。

陰陽師は、作者が楽しんで書いてる感じがいいですね。
晴明と源博雅の仲のよさが、また憎いほど。
式神(しきがみ)、呪など、陰陽師の使う技も面白い。

  この世で一番短い呪(シュ)とは、名である。
  呪とは、ようするにものを縛ること。

晴明が博雅に呪(シュ)とはなにかを説明するくだりは、とても興味深い。
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IMG_3814.JPG陰陽師 飛天ノ巻
夢枕獏







ご存知、安倍晴明と源博雅の物語。
陰陽師に興味があったので読んでみました。
小説なので、陰陽とか、易とか、平安時代の天文学について
詳しく書かれていると思ったのですが、
ちょっと期待はずれでした。
どちらかというと、妖怪退治の娯楽小説といった感じ。
それでも品よく仕上げてあるので、好感が持てます。
男性よりも、女性向けかも。
平安時代の風流な生活も、興味をそそります。
IMG_3308.JPG祭り裏  島尾ミホ
中央公論社






島尾ミホ 3冊目です。
伝統的な年中行事が月毎に続く美しい南の島、加計呂麻のくらし。
著者、島尾ミホの子供時代、
大正~昭和のはじめくらいまででしょうか?
日本にも、人が自然と神とともに生きる、こんなに美しいくらしがあったのです。

赤子は遠い海の彼方から小舟に乗ってハマグマの浜に真夜中にそっと寄せられてくる。
赤子が生まれると、「夕べハマグマの浜に行って来たそうな。」などと言っていた、加計呂麻の人々。

現代の加計呂麻島は、昔のなごりをどのくらいとどめているかは知る由もなし。
それでも、いつか訪れてみたい憧れの奄美の島です。

浜降りの日
旧暦3月3日、三角形の蓬餅をこしらえ、弁当と一緒に持参してほとんどの人が浜へ降りる。
蓬餅を食べない人は馬になり、浜へ降りて潮水で足を濡らさない人は梟になる、といういい伝えがある。

アトウガミ
旧暦8月、埋葬した死者の骨を数年後に掘り出し洗い清めて真綿で包み、再び厨子甕に納めて埋め直す行事。

柴挿し
コーソガナシ(先祖さま)をお迎えする日
お迎えのため門から縁先まで浜の白砂を敷きつめる。
先祖さまは遠い海の彼方の国からおいでになるので、足をあたため乾かすために、門口で火を焚く。
子供たちは魔よけのため、桑の木から剥いだ樹皮を手首、足首に結び、
にんにく玉でこしらえた首飾りを衿元にさげる。
IMG_3538.JPG孤高の人(下)
新田次郎
新潮文庫
下巻で文太郎は変貌をとげる。
結婚によって彼は人が変わった。
はじめて人のぬくもりと優しさにふれ、人生の楽しさを知った。
加藤は、ヒマラヤ以上に花子を愛したのである。
上巻の文太郎を知る読者は、下巻でのあまりの変貌ぶりに、
会社の同僚ならずとも、思わず笑いがこみあげてくる。
しかし、
この他人に対する思いやりが、
単独行しかやったことのない文太郎にパーティーを組み、
冬の北鎌尾根を登ることを決心させるという皮肉な結果を生む。

六甲山全山縦走
その全部が無理だとしても
園子がかわいい登山家と登ったルート、
ロープウェーで六甲へ登り宝塚までのルートならなんとか歩けるかな。
いつかは挑戦してみたい。
 
IMG_9159.JPG孤高の人(上)   新田次郎
新潮文庫
昭和の初め、登山がまだ大学の山岳部や一部のお金持ちの特権階級のものだった頃のお話。
主人公、加藤文太郎はいつも単独行。
みずからの力で道を切り開き、社会人登山家として名をなした実在の人物です。

文太郎があみだした、効率のよい登山食とは?
甘納豆と揚げた小魚。
これを右のポケットと左のポケットに入れて交互に食べる。
登山の間、食事の準備に時間をとられることなくいつでもすぐ食べられるもの。
面白い!
今度山歩きに行くとき、まねしてみたい。
神戸には毎日登山の会というのがあるらしい。
山に囲まれた神戸ならでは。毎日そのどれかの山に登るという会。
神戸はお洒落な港町のイメージで、この小説を読むまで登山とは全く結びつかなかった。
今度、神戸に行った時には山に登ってみたい。
文太郎と同じ景色を眺めてみたい。
文太郎は冬の神戸アルプスを、
須磨から宝塚まで完全縦走したその足で、宝塚から会社の寮のある和田岬まで、
たった1日で踏破したとうい記録をもつ。
これは文太郎が、日本アルプスの登山をはじめるほんの導入にすぎなかった。
この小説、面白いけれど、
人づきあいの苦手な文太郎が山で孤独を感じるときは、時として痛ましくなるほど。
山に登るためのトレーニングも、そこまでやるかという徹底ぶり。
引き続き、下巻が気になります。
IMG_9160.JPG岳  6~16巻
石塚真一







10巻で、三歩が穂高ロープウェー駅を降り、
西穂山荘まで大きな荷物をかついで登るシーンがでできますよ。
7月の終りに歩く予定のコースなので楽しみ。
岳では、冬山でしたけどね。
ロープウェーの中で歌を歌ってくれるガイドのおじさんってほんとにいるのかな?
確かめてきます。
16巻で、北アルプスを去った三歩は、ヒマラヤに向かいます。
エベレストの隣の山、ローチェに登るため。
そろそろ終盤戦にさしかかってきました。
17巻は7月30日発売ということなで、しばらく岳はおあずけです。
IMG_9126.JPG岳  石塚真一
1~5巻







北アルプスで山岳救助ボランティアをする青年、島崎三歩の物語。
遭難した人達を救助する時、
装備が甘かったとか、無理な行程を組んだとか、
けっして、非難したり怒ったりしない。
人それぞれに山に登る理由があり、人生がある。
そのすべてを受け入れ、
山と、山に来る人々を愛する三歩。
毎回、ウルウル。
じわ~っと感動の波がおしよせるお話です。
どんなに過酷な状況のなかでも、三歩はいつも声をかける。

   よく頑張った! 
   また山においでよ~!




IMG_3405.JPG死なないカラダ、死なない心
成瀬雅春
講談社






ヨガハートで、成瀬先生にサインしてもらった本。
物理学者もヨガ行者も、考えていることはみな同じ。
 
IMG_3404.JPGとことん楽しむヘチマ・ヒョウタン
ひかりのくに







図書館で借りてきました。
ヒョウタンの育て方から作品の作り方まで写真やイラスト付きで解説してあります。
全日本愛瓢会推薦図書です。
世の中には、様々な愛好家がいるものですね。
愛瓢会ってネーミングも素敵。
我が家の千成ひょうたんで、お守りを作りたいなと思っています。
その製造過程において、強烈な悪臭が発生するそうです。
それでも、頑張って挑戦してみたいと思ってます。

すでに、お友達からも予約が入りました。
  無病息災
うまくできたら、最強のお守りになりそうです。
IMG_3332.JPG氷壁    井上靖
新潮文庫
昭和32年に書かれた小説ですが、古さを感じさせないストーリー展開でとても面白かった。
ゴールデンウィークに上高地を訪れ、
次回また上高地を訪れる前に読みたいと思っていた本です。
若い妻をもった初老の男性、教之助の悩みと、
年の離れた夫をもった若く美しい妻、美那子の乾いた心。
人妻の美那子に恋した登山家、上条。
そして上条の親友、魚津もまた美那子に思いをよせてしまう。
美那子は魚津に惹かれていき、
上条の妹、かおるは魚津を恋する。
自分も気がつけば、50に手が届く年齢に。
この年になって読むと、
それぞれの年齢ゆえの悩みと気持ちがわかってしまうから面白い。
山岳小説というだけではなく、恋愛小説としても読めるし、
様々に交差する人間模様が面白い。
上高地、穂高の美しく険しい風景が目の前に広がり、
登山家の山に対する神聖な思いが伝わります。
山ガールの入門書としても楽しめます。
そして作中にでてくる、
登山家ロジェ・デュブラの詩
     モシカアル日
心に響く詩です。
それにしても、
魚津が最後に山に登る理由は、女の私には理解できない。
男って身勝手な生き物だ。
 

IMG_3309.JPG海辺の生と死  島尾ミホ
創樹社







島尾ミホ、2冊目です。
市の図書館にはなくてリクエストしたら、津島図書館からとりよせてもらえました。
本を手にとって、思わず感動の吐息が・・・・。
1974年7月25日の初版本でした。
歳月を感じさせる色あせた表紙。
保存状態は良く、中身はとても綺麗でした。
図書館の書庫に静かに眠り、何年かぶりにようやく日の光をあびた本。
島尾ミホの幼少時代の美しい加計呂麻島のくらしが目にうかびます。
そしてこの本のために書き下ろした、島尾隊長との思い出の最後の夜。
作者の純粋で一途な愛は、加計呂麻の海のように力強く美しい。
 
IMG_3281.JPGヤポネシアの海辺から 
対談 島尾ミホ 石牟礼l道子(いしむれみちこ)
弦書房






島尾敏雄の「死の棘」を読み、妻である島尾ミホの本も読んでみたくなりました。
この本は、島尾ミホと石牟礼道子の対談集です。
私は今だかつて、こんなにお上品な話したかをされるご婦人に出会ったことがありません。
このお二人は、本物のお嬢様です。
万葉の世界のような美しい加計呂麻島で幼少時代を過ごし、
恵まれた家庭環境のなかで、純粋培養されたミホ。
自然には神が宿ることを肌で感じ、鳥と話ができるミホ。
「死の棘」に書かれた夫婦そのままの実生活と思っていましたが、
ミホは、「小説は作家が創作した、物語の世界」と語ります。
トシオとミホは、お互いを深く尊重し愛しあっていました。
トシオがアメリカに長期出張した折には、
毎日、手紙のやりとりをした。
毎朝、出勤前トシオをバス停に送ると、涙を流して別れを惜しんだ。
など、その夫婦のエピソードは、
ミホをして、私達夫婦は一心同体でしたと言わしめたほど。
ミホが語る2人の生活により、
「死の棘」の読後感は、また新たなものとなります。
 
IMG_3189.JPG死の棘  島尾敏雄
新潮文庫

島尾敏雄の私小説です。
トシオとミホの愛の物語。




始終、壮絶な夫婦の葛藤、同じことが何度も繰り返され、救われない暗い小説にもかかわらず、
最後まで惹き付けられ、読んでしまうのはなぜか?
それは二人の間に愛があるから。
そして、トシオの深い内省の描写が、醜くも美しい。
究極の夫婦の愛のかたちです。
精神に異常をきたした妻に、普通の男ならここまで真摯に向き合うことはできないと思う。
妻に浮気のことを一晩中、執拗に問いただされ、
夜も眠れず、ののしりあい、とっくみあうふたり。
いつおきるとも、いつ終わるともわからない、妻の発作。
トシオも、自分自身が狂ってしまわなければやりきれない気持ちで、
何度も自殺未遂を繰り返す。
精神的に極限の状況のなかで、
時折みせる、妻の安らかな寝顔や笑顔に、島で出会った頃のミホの面影を見るトシオ。
そんな複雑な「カテイノジジョウ」のなかで育った2人の子供、伸一とマヤ。
トシオの浮気がきっかけで、精神に異常をきたしてしまった妻ミホ。
 しかし、トシオの妻に対する接し方には
単なる贖罪以上のものがあります。
小説は、2人で精神病院に入院するところで終わります。
その後ミホは回復し、生まれ故郷の奄美で余生を過ごします。
2人の子供も実在します。
長男の伸一は、写真家の島尾伸三。
長女の島尾マヤも実名です。
ミホは、奄美群島の加計呂麻島の島長(シマオサ)で祭事を司る「ノロ」の家系に生まれ、
巫女後継者であった。
島に特攻隊長として赴任した島尾敏雄と知り合い結婚して東京へ。
そこから先は、「死の棘」を読んで下さい。
この小説、新婚さんよりも、熟年夫婦に特におすすめです。
IMG_9120.JPG「美しき日々」で始める韓国語
~シナリオ対訳集~
翻訳 金井孝利
キネマ旬報社





市の図書館にはなかったのですが、
リクエストしたら、
はるばる瑞穂図書館から取り寄せてもらえました。
やったー!

韓国ドラマは、数えるほどしか見てないけれど、
それでも、
やっぱり、
一番好きな韓ドラは、「美しき日々」です。
シナリオ対訳式になっていて、
ハングルにはすべて、カタカナでルビがふってあります。
ファンにはたまりませんね。
この本で韓国語を勉強するのは、初心者にはちょっと難しいです。
なので、読み物として楽しみました。
ドラマの名場面を思い出しながら、セリフをかみしめながら。
室長!
ステキ!
 
IMG_9118.JPGthe Che handbook
フォト・バイオグラフィ
チェ・ゲバラ
イルダ・バリオ / ギャレス・ジェンキンズ著
 
原書房




ジャッキーが学校の図書館で借りてきた本。
名前は聞いたことがあっても、どんな人物か知らなかったチェ・ゲバラ。
興味があったのでページをめくると、
はまってしまった。
この本は、彼の写真と言葉、家族、友人、同志たちのインタビューからなっています。

たぐいまれなゲリラ戦士、
医師であり、政治家、革命家、
高い教養を持ち、読書家で、
詩と音楽を愛し、質素で自分に厳しく、
子供と妻と家族を愛する男。
人をひきつける魅力的な笑顔。
世界一葉巻の似合う男。

1928年、アルゼンチン生まれ。
医学部を卒業し、若いころは原付バイクでラテンアメリカの旅をする。
その旅で、極貧状態で搾取されている労働者に強い衝撃をうけたことが、
彼が革命家になろうと思った原点である。
メキシコでカストロと出会い、キューバの社会主義革命で大勝利をおさめる。
その後、帝国主義に立ち向かい、社会主義のために戦うため、
コンゴにわたり、ボリビアへと向かう。

革命においては、
勝利か、さもなければ死しかない。

1967年、ボリビア政府軍に捕らえられ射殺、39歳の生涯を終える。
死後、両手は切り落とされ、
遺体の写真が、ボリビアの町ニャカウアスの町の壁に展示された。
死後もチェの威力を恐れた軍は、ひそかに埋葬した。
30年後、チェの遺体が発掘され、キューバへ帰還。
サンタクララの霊廟に眠る。

     この手紙を読まねばならないとき、
     お父さんはそばにいられないでしょう。
     とりわけ、世界のどこかで誰かが、
     不正な目にあっているとき、
     いたみを感じることができるようになりなさい。
     これが革命家において、最も美しい性質です。
     いつまでも、子どもたちよ、
     みんなに会いたいと思っている。
     大きなキスを送り、抱きしめよう。

     お父さんより

かっこよすぎる。
赤いキリスト、
チェ・ゲバラ
1度読んで、さらにもう1度最初からページをめくり・・・。
2回も読んでしまった。
そして、今またぱらぱらとページをめくる。
この本を手にした誰もが、彼の魅力にひきこまれてしまうはず。

次に読む本は、
マルクス?
それとも、
チェのコンゴ日記?
マテ茶を飲みながら。

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