halのブックレビュー
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明治の文豪と呼ばれる漱石。
しかし、この歳になるまでほとんど読んだことがなかった。
読んだのは、「坊っちゃん」と、高校の国語の教科書に
載っていた「こころ」くらいである。
「吾輩は猫である」は途中で挫折してついに最後まで読めなかった。
はじめて「三四郎」を読んだ。
面白かった。
図書館で借りた、明治の文学 第21巻
この本は旧仮名遣いですが、すべて振り仮名もうってあり、
ページ下の欄外に脚注とさし絵があるので読みやすく、
漱石の原文が楽しめるのでおすすめです。
Yの高校の数学の先生が、大の漱石ファン。Yの在学時代の保護者会で、
理系の頭脳をもってして文学を語る先生のお話はとても面白くてひきこまれました。
先生いわく、漱石の小説は、その書かれた順番に読まなければならない。
吾輩は猫である
坊っちゃん
三四郎
それから
門
草枕
虞美人草
彼岸過迄
行人
こころ
道草
明暗
お次は「それから」ですね。
三四郎は、九州の田舎から出てきて、東大に入った新入生のお話。
この新入生のとまどいは、時代は違うけれども現代にも通じていて興味深い。
ちょうどYもこの春大学生になったばかりなので、照らしあわせて読んでしまった。
三四郎を読むと東大に行ってみたくなります。
池と木、法文科大学、博物教室、工科大学、そして図書館。
歴史的建造物の数々。
ごく限られた人にしか、ここで学問をすることはゆるされていない。
しかし、東大はたくさんの観光客や他校の学生も出入りするので、
実は、北大とならんで日本で一番入りやすい大学なんだそうです。
三四郎は、はじめ必須課目以外も出席し、週に40時間も講義を聞いていた。
ところが友達の与次郎に馬鹿だと言われ、電車に乗ることをすすめられる。
「電車に乗って、東京を一五六辺乗り回しているうちに自から物足りる様になるさ。」
そして、「是から先は図書館でなくちゃ物足りない。」と言われる。
三四郎は翌日から40時間の講義を半分に減らして、図書館に入るようになった。
三四郎が驚いたのは、
どんな本を借りても、きっと誰か一度は目を通して居るという事実を発見した時。
東京ではじめて文化のかおりに接した三四郎のとまどい。
そして友人と恋。
明治の文化人の風俗もわかり、東京散策してみたくなる本です。
今度東京に行く時は、「三四郎」を手にして行こう。
そして三四郎みたいに東京をぶらぶらしてみたい。
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