halのブックレビュー
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告白 湊かなえ
双葉社
彼女の作品を初めて読みました。
ベストセラーにもなって、映画化されたデビュー作です。
読み始めたら止まりません。
2日間であっという間に読み終えました。
彼女の書くミステリーは、
読んだ後、嫌な気持ちになるから、イヤミスと呼ばれているそうですが、
イヤミス、というより、
こんなに人を引きこませる文章を書く彼女の才能に感服しました。
女教師、女子中学生、姉と日記の中の母親、少年B、少年A,女教師、と
第1章から第6章まで、中学校で起きたある殺人事件を、
語り手を変えながら一人称で綴っていきます。
人が壊れていく様が、リアルに書かれています。
人間の悪の面をかきなでられる小説です。
小説のストーリーが怖い、というのではなく、
人間のダークサイドの深淵を、まざまざと見せられる感じ。
面白かったです。
人間は、誰しも悪の面を持っていて、
それが表に出るか出ないか、行動に出るか出ないかは、紙一重。
そもそも、人間の善悪はどのように形成され、道徳感はどう育つのか?
悪は本人の罪なのか?
それとも、関わった人、環境に責任はあるのか?
その環境を、自分で選べないとしたら?
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